イランイラン 〈魅惑の香りを放つ花〉

人々を魅了する甘く官能的な香り

バンレイシ科の熱帯性常緑樹。原産は、インドネシアのモロッカ諸島と言われており、フィリピンに伝わって栽培が始まり、現在は、マダガスカルやレユニオンなどで多く栽培されています。

水はけのよい土地や火山灰の傾斜地、海岸沿いの土地に生育します。花びらは、淡い黄緑色から、じょじょに帯状に伸びて垂れ下がり、黄色になって、さらに茶色へと変化します。花びらの付け根に茶色のスポットが現れる頃が最も香りが芳醇で、芳香成分の含有量・品質共に最高になるため、エッセンシャルオイル(精油)の蒸留に重要なタイミングとなります。

蒸留は時間ごとに、エクストラ、1st、2nd、3ndと4段階に区切り、じっくり時間をかけて行われ、段階によって成分や香りの印象もかなり異なります。イランイランに特徴的な、濃厚でフローラルな香りの素となる成分は最初に多く抽出されるため、エクストラはもっともイランイランらしい香りと言えるでしょう。

イランイランの名は、「花の中の花」という意味のマレー語「イランアラン」に由来しており、19世紀頃からヨーロッパで香料として人気が高まりました。また、フィリピンやインドネシアでは、神に捧げる花として知られており、街中でもよく見かけることができます。

人への利用

甘く官能的な香りは香水の原料として重宝され、多くの市販の香水に使われています。また、他のエッセンシャルオイルとブレンドして、香水を自作する際にもよく使われます。

イランイランの香りには催淫作用があると言われており、媚薬的な効果を期待した使い方をされることもあります。インドネシアでは、今でも新婚初夜の夫婦のベッドにイランイランの花びらをまき散らすという習慣があるそうです。

神経を鎮静させたりバランスをとったりする作用があるので、エッセンシャルオイルの芳香浴でリラクゼーションに利用するのもオススメです。

またエッセンシャルオイルは、皮脂バランスをとる作用や収れん作用があるので、スキンケアやヘアケアにも用いられます。香りのよさとスキンケア効果を兼ね備えているので、石けんなどに配合されることもあります。

犬への利用

ペットのケアとしては、あまり多く使われる植物ではありませんが、神経を鎮静させる作用があるので、芳香浴やルームスプレーで香りを漂わせながらマッサージをしたりすることで、緊張や不安、パニックなどの緩和が期待できます。

また、皮脂バランスをとる作用や収れん作用があるので、ボディミストにブレンドしてブラッシングなどに使うとよいでしょう。

注意事項

  • 子ども、妊婦、授乳中、高齢者、敏感肌の方、重疾患をお持ちの方、動物(とくに猫)へのエッセンシャルオイルの使用は、注意が必要な場合があります。専門書や専門家、医師のアドバイスを参考にしてください
  • 濃厚な香りなので、過度に用いると頭痛や吐き気に襲われることがあります

参考文献・サイト

  • フレグランスジャーナル社 三上杏平「エッセンシャルオイル総覧」
  • 日本アロマ環境協会「アロマセラピー検定テキスト」
  • 生活の木「Life Ware Book」

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